調査事例:胃癌摘出術の6日後に死亡した事案

2018年07月31日解決事例(医療問題)

医療問題調査事例:胃癌摘出術の6日後に死亡した事案

相談前 胃癌摘出術の6日後に亡くなったので、病院の責任を問いたいとの遺族からのご相談でした。
相談後 胃癌、乳癌、多臓器不全、DIC、敗血症、敗血症性ショック、重症感染症、急性腎障害、周術期の心合併症に関する医学的知見を調査することにより、病院側の過失等について検討しました。
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協力医によると、既往症の多い高齢者の胃癌開腹手術である以上、死亡リスクは避けられないのではないかとのことでした。
カルテによると、患者自身が積極的に手術を望んでいたわけではなく、遺族が手術を希望し、患者も手術前に手術に同意した事案だったことから、病院側の責任をなんとか問えないかと、各種文献を読み込みました。
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しかし、高リスクの患者であったこと、胃癌のステージが高かったこと、心臓疾患と胃癌と乳癌がある場合の胃癌手術に関するガイドラインは存在しないこと、遺族が相続放棄をしていたことから、病院の責任を問うことは難しいと言わざるを得ませんでした。
そこで、上記結論を報告した上で委任関係を終了しました。
弁護士からのコメント 交通事故の専門家をうたっている弁護士に依頼して相続放棄をしていたケースでした。
相続放棄さえしていなければ、患者本人の慰謝料を請求することができたため、病院の責任を問うことができた可能性の高い事案でした。
専門家をうたうことで同じ様な事件しか受任しないことにより、その他の事件に対する知識や技術を持たない弁護士が増えている弊害を感じざるを得ませんでした。

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