調査事例:頭部損傷・肺挫傷で救急搬送された後、15日後死亡した事案

2018年07月31日解決事例(医療問題)

医療問題調査事例:頭部損傷・肺挫傷で救急搬送された後、15日後死亡した事案

相談前 シャワーに行けるほど状態が良くなったにもかかわらず、その後急変し、そのまま亡くなってしまったので、病院の責任を問いたいとの遺族からのご相談でした。
相談後 各種文献において切迫脳ヘルニア、小脳テント切痕ヘルニアに関する医学的知見を調査し、脳外科協力医に画像を提供して見解を尋ねました。
協力医によると、患者の状態が再び悪くなった初期の段階でMRIを撮影することによってヘルニアに気づくことができていれば緊急手術より実際の死亡日における死は免れたかもしれないが、当初の脳損傷が激しいのでその後も元気になったかどうかはわからないとのことでした。
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医学文献の調査によっても、患者の状態が再び悪くなった初期の段階でMRIを撮影していたからといって必ずしも助かっていたことは証明できない可能性が高いとの結論を出さざるを得ませんでした。
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そこで、病院の責任を問える可能性はあるが、難しいとの見解を伝えたところ、難しいのであれば費用をかけてまで裁判したくはないとのことでしたので、委任関係を終了しました。
弁護士からのコメント 調査結果の報告の際、ご遺族からは何度も病院の責任を問いたいと強く訴えられました。
しかし、病院の責任が認められない可能性がある以上、弁護士としても成功報酬という形で裁判のご依頼を受けることはできません。
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リスクをご理解いただいた上で着手金をお支払いいただけるのであれば、お引き受けできるとお伝えしたところ、難しいと言われているのに費用をかけてまで依頼するつもりはないと言われ、そのまま関係は終了しました。
ご依頼いただけていれば、病院の責任を問えた可能性もある以上、弁護士としても無念を感じた事件でした。

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